森を守ろう 8
ササは陽性のため、樹林下では薄くまばらで、カラマツを除く針葉樹の密林下では絶えてしまいます。
上木を伐採すると2、3年の短期間に繁茂して地床を覆い、縦横編根が発芒て表土を確実におさえ、林木に代わってその流亡を防ぎます。
そして強い雨滴を葉面でおさえ、落葉層とあいまって地表の破壊を防ぎます。
また、自己および林木の落葉をその場におさえて飛散を防止するなど、ササの効用は大きいのです。
しかし、大型のネマガリダケはもちろん、林内の歩行さえ容易でなく、作業能率を甚だしく低下させます。
また、林木の天然更新を決定的に阻害します。
日本の山岳林はヨーロッパと違ってほとんどがササ地帯。
こうした奥地での人工造林は平地に比べて費用が数倍もかかるように容易でなく、あらゆる面から天然更新が望ましいのですが、ササのため択伐天然更新の大半が不成功に終わっています。
箱根の十国峠付近では、一面のササ原に感嘆の声を発するでしょう。
見方によっては観光資源ともいえるかもしれませんが、その効用を考えれば、森林であることが望ましいでしょう。
当地もかつては林木が茂っていましたが、主として薪炭材、パルプ材として皆伐したものと思われ、完全なササ原となって半永久的に林木は更新できません。
こうなっては、人工造林を行うとしても、森林に戻すまでには膨大な労力と費用がかかるのです。